- 病院で働いている人はどんなことをやりがいにしているんだろう?
- 病院の管理栄養士のやりがいが自分にも当てはまるか知りたい!
- 病院の志望動機の参考にしたい!
病院の運営に携わる仕事にやりがいを持っているみやよしです。
病院で実際に管理栄養士として働いている人の「やりがい」って気になりませんか?
病院管理栄養士の共通のやりがいは「誰かの役に立ちたい」という気持ちでしょう。
しかし具体的なことについては、人により何をやりがいとして働いているかは違うので「やりがいはこれだよ」と一概に言うことができません。
でも、志望動機の参考にもしたいんだけど…
そこで本記事では、これから病院管理栄養士を目指す人に向けて、私を含めた当院管理栄養士のやりがいについて、病院見学者に説明している内容をさらに深堀して紹介していきます。
管理栄養士については、網羅的に解説した記事がありますのでぜひ、参考にしてください。
管理栄養士とは?|面接官が管理栄養士の求められる3つの仕事内容を徹底解説 (miyayoshi7.com)
当院の病院管理栄養士が臨床管理で思うのやりがい
私は定期的に職員面談をする関係上、今働いているうえで「やりがいってありますか?」と聞くことがあります。
理由としては、職員のモチベーションの把握や仕事内容の方向性の確認、病院見学者に対する返答です。
見学者にはよくやりがいは何ですかってよく聞かれます。
これらの理由から、定期面談ではやりがいについて聞いています。
ここでは、わたしのやりがいも含めて協力してくらた職員の例を紹介します。
私の病院管理栄養士としてのやりがい|目標を達成できることにやりがいがもてる
自分の設定した目標に対して、みんなが頑張ってくれることやそれに対する対策が刺さるとうれしいです
当院では年間で一人ひとりに目標が設定してあります。
私の目標は、部署全体で前年度比15%〜30%に設定しそれを達成していきます。
たとえば、部署全体の指導件数を年間1200件とした場合、それぞれの管理栄養士に配分して達成できれば、その部分の目標は達成です。
言葉にするのは簡単ですが、実際に仕事に落とし込むと大変です。
毎年件数を上げるために作業動線や業務の分配など、あまり無理のない範囲で目標を設定する必要があるため難しいのですが、それが達成できたときはうれしくてやりがいを感じます。
昨年より件数を多くし、さらに目標を達成できる数字を設定しなければならないので、職員のモチベーションの把握が大事です。
目標達成は、昇給にも関係してくるので必死です。
病棟担当管理栄養士として自分の成長を認識できることがやりがい
見る患者が多いと大変だけど、自分も成長しているのが実感できるのでうれしくて、やりがいに繋がっています。
病棟担当管理栄養士は、1つのフロアに対して1〜2名体制で行うことが多いです。
そのため、多くの患者を見ることになります。
患者の中には、リスクの高い患者もいるため、食事でなんとかできる範囲であれば管理栄養士から医師への提案で食事内容が変更されることもよくあります。
その変更により徐々に回復していくとやりがいに持てるようです。
私の正しい提案ができたのと、実際に数値として回復していき、健康になっていいくのがわかるので、それがやりがいになっています。
NSTで他の職種から必要とされている実感がもてる
患者を回復させるのに、管理栄養士が中心となって医師と対等に話ができます。そのとき食事について必要とされている実感が持てるので、それがやりがいに繋がってますね。
NSTでは、管理栄養士の食事の知識を活用してリスクの高い患者の食事を決定していきます。
医師も食事に関して、詳細なことは管理栄養士に任せていることも多くあります。
たとえば、水分制限をしなければならない患者には、提供している食事の水分量の知識が必要です。管理栄養士は、食事に含まれる水分量を考慮しながら、患者の必要水分量を決定していきます。
こういった、管理栄養士が中心となり活躍できる場面もあるので、NST担当者はやりがいに繋がりやすいようです。
医師が患者の食事専用に時間を取ってくれてるから、この機会にバンバン自分の提案が通ると管理栄養士としての価値が実感できます。
病院管理栄養士の給食管理での仕事のやりがい
病院の管理栄養士は、臨床栄養だけでなく給食管理に携わることもあります。
上記に紹介したものは臨床栄養を担当する管理栄養士でしたが、下記では給食管理
でのやりがいを紹介していきます。
患者と一緒に回復を喜べることへのやりがい
患者は在宅復帰を目指しています。
患者が在宅復帰できるということは、食事を食べるようになり体力が回復しているということなので、管理栄養士は自分のやっていたことが正しいと再認識できる瞬間です。
検査値やADLなど少しずつ回復していく過程で、自分のやっていることや提供している食事が正しいと認識できることをうれしく感じる人も多いでしょう。
そのため、患者が回復するとやりがいに繋がることが多いです。
行事食やイベントを喜んでもらえるやりがい
患者さんは入院中退屈しているので、イベントなどは喜んでもらえることが多いです。
夏祭りイベントやバイキングなど、管理栄養士が一人ひとりの患者の必要量を把握して、提供になりますが雰囲気を味わうだけでも患者は喜んでくれます。
とくに、自分で作った献立や企画で喜んでもらえると、自分自身の喜びややりがいに繋がるでしょう。
担当患者から感謝されるやりがい
- 退院時
- 食事がおいしかったとき
- イベント
上記のタイミングで患者から感謝されることが多いです。
管理栄養士になったきっかけとして、患者の役に立ちたいという人も多いのではないでしょうか。
入院しているときの患者の楽しみは食事くらいなので、その楽しみを提供できる管理栄養士は感謝されることも多く、やりがいに繋がることが多いです。
満足度調査を参考に、調理師と連携して患者の満足度が上がる食事を目指しましょう。
スキルアップによるやりがい
管理栄養士は、知識を付ければすぐに活かせることも多くあります。
なぜなら、栄養の知識のベースはすでにあるので、そこに付け加えるだけで良いからです。
たとえば、糖尿病の人はお酒を控えたほうが良いのは案内できます。しかし、どのくらい控えた方が良いかは、各種アルコールによって違うので、案内しきれない人もいます。
そこで、厚生労働省のHPで確認して知識を入れるだけで、ビールは1日500mlまで等すぐに付けた知識を活用することができます。
そのため、学べば学ぶほどやりがいに繋げることができます。
病院管理栄養士の魅力
病院管理栄養士の魅力は国家資格であるため、世間的にも認められた職業というところです。
世間から認められているということは、需要が多く求人に困らないことは魅力の1つと言えます。
条件の良い求人はタイミングに左右されることもあります。
そこで、下記に安定した病院管理栄養士の魅力を紹介していきます。
給料が安定している
病院雇用の場合、給料が安定していることが多いです。
病院が安定している理由は、医療行為は無くならないというところにあります。
とくに、少子高齢化が進むなか、高齢者は増え続けています。
高齢者が増えると医療行為が増えるので、世間は不景気でも病院は安定しているので、従業員の給料も安定して貰うことができます。
栄養の知識は患者以外にも対応できる
病院管理栄養士の知識は、職場だけでなく自分や身近な人にも活用することができます。
そのため、血圧や血糖値に悩んでいたら食事面でのアドバイスができるので、プライベートでも人の役に立てることができます。
私は妻の妊娠糖尿病のときや離乳食の知識で役に立てました。
医療業界が世間に認知されている
管理栄養士は、国家資格であることや病院がどんなことをしている施設か世間の人々に認知されているため、認知度が高い職業と言えます。
友人などに仕事の話をされたときに、病院の管理栄養士として働いていることを伝えれば、どんなことをやっているかイメージができるでしょう。
ダイエットについて教えて!など話題が増えます。
病院管理栄養士になったきっかけ
病院の仕事に興味がある場合、実際働いている人がどんなきっかけで病院管理栄養士になったのか気になりませんか?
よくある病院管理栄養士になったきっかけは、実際に体験として病院給食に触れてきた人や地域貢献したい人が多いことです。
- 身内が入院中の食事が美味しくなかったと言っていたから変えていきたい
- 地域貢献のために病院で美味しい給食を作りたい
このような理由が病院管理栄養士になるきっかけになっている人が多くいます。
その他にも、同僚や他院での知り合い管理栄養士に病院管理栄養士になったきっかけを聞いていますので、紹介していきます。
病気の人を食事でサポートしたい
- 食べることが好き
- 食事を作るのが好き
- 病気の人に早く元気になってもらいたい
病気の人に対して食事で元気になってほしくて、病院の管理栄養士になった人も多いのではないでしょうか。
食事で病気を治すことはできませんが、食事を食べなければ病気は治せません。
そのため誰かの役に立ちたくて、食べるのも作るのも好きな人は、病院管理栄養士にぴったりです。
地域貢献したい
- 地元の病院に思い入れがある
- 地域の役に立ちたい
- 育った地域に恩返しをしたい
地域に思い入れのある人は、病院で地域貢献したいと思い、働いている人も多いでしょう。
病院には病気で困っている人が集まるため、直接自分の知識を活かして症状を改善していくことが可能なので、貢献度が高いといえます。
そのため、地域貢献がしたいことがきっかけで、病院で働いている人もいます。
病院食のイメージを変えたい
- 家族が入院していたときの食事に悪いイメージがあった
- 入院中の食事に不満があった
病院の食事にはあまり良いイメージがない、もしくは実体験として不満があったことがきっかけで、良くしていきたいと思って病院の管理栄養士になった人もいます。
病院の食事は、いつか自分や身の回りの人もお世話になるものです。
自分が管理栄養士として介入することで、良い食事にできる可能性があれば、イメージを変えるために病院管理栄養士になるきっかけになるでしょう。
病院管理栄養士の1日のスケジュール|仕事へのやりがい
病院管理栄養士は勤務中どんな1日をしているか仕事内容が気になりますよね。
管理栄養士はタスク管理がとても重要です。
患者や他の職種などの相手の状況に合わせながら、工夫してスケジュールを作成していきます。
毎日、行っている仕事は変わりますが、ある1日のスケジュールを切り取りましたので、参考にしてください。
時間 | 仕事内容 |
---|---|
9:00~9:30 | リスクの高い担当患者の残食率確認 |
9:40~10:00 | リスクが高いかつ残食の多い患者の情報を他職種または、患者から直接ヒヤリング、医師への食事変更の相談 |
10:10~11:30 | 担当病棟の入院時栄養指導 |
11:40~12:30 | ミールラウンド、食べが悪い患者から感想やなぜ食べが悪いか見て回る |
12:40~13:30 | 集めた患者情報をまとめ改善案を検討 |
13:30~14:30 | 休憩 |
14:30~14:50 | 患者情報まとめの続き |
15:00~15:30 | 患者情報の交換(カンファレンス) |
15:40~16:00 | カンファレンスの情報まとめ、対象患者の食事について検討 |
16:00~18:00 | 栄養管理計画書作成 |
病院管理栄養士の役割へのやりがい
病院管理栄養士の役割は大きく分けて臨床部門と給食部門の2点です。
この2点をさらに細かくしたものが管理栄養士の具体的な仕事内容に繋がります。
ここでは、病院管理栄養士のコアになる2点の役割を紹介していきます。
臨床部門
- 栄養管理
- 栄養指導
- チーム医療
入院患者は必ず、どういう方向で治療していくかのカンファレンス(会議)を行います。
医師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、ワーカー、管理栄養士など多職種でそれぞれの意見を出し合い、管理栄養士は食事内容について目標を立て方向性を示していきます。
給食部門の方に、カンファレンスで決定した内容の食事情報をあげて、患者に適切な食事を提供します。
とくに栄養指導は、個人や集団の患者を対象に適切な食事方法を教育していき、在宅復帰を目指すことが重要です。
給食部門
- 調理
- 食材・食品の発注
- 検品
- 盛り付け
- 洗浄
- 在庫管理
- コスト管理
患者に対して病院給食を提供するために必要になる業務です。
患者に対して適切な食事内容を臨床部門で決定し、献立に沿って食事を提供します。
調理や盛り付け以外にも、発注した食材の在庫がどれくらいあるかを管理したり、月々の食材コストがどれくらい使用されているのかを確認したりもします。
病院管理栄養士に求められることへのやりがい
- 医師・看護師から求められることは患者の栄養状態
- 患者から求められるものは満足する食事の提供
管理栄養士は、患者の他にも専門職として他の職種からも患者情報を求められます。
ここでは、他の職種から求められることや患者から求められることの2点を紹介していきます。
患者の食事管理
- 喫食率(食事を食べた割合)
- 病状
- 検査値
患者の食事に関すること、全般を担当管理栄養士が把握している必要があります。
看護師は喫食率の把握はしていますが、病状だったり検査値だったりと詳細な数値に関しては食事と関連付けられないことが多いです。
そのため、管理栄養士が医師に相談や提案する形で患者への食事のサポートをしていきます。
患者満足度の向上
患者が入院中に楽しみにしているものは食事です。
入院していてもやることはないので、テレビを見るかスマホをいじるくらいしかありません。
しかし、食事の時間になれば、フロア内の食堂談話室に移動して他の患者と話しながら食事をすることができます。
さらに、食事も美味しかったら患者の満足度は上がり、ストレスを発散することができます。
患者が嬉しければ対応している栄養科も嬉しくなります。
栄養の知識
医師や看護師、患者は栄養科が提供している食事に関して詳細まで把握はしていません。
そのため、自部署で提供している食材や料理に関しての栄養の知識を入れておく必要があります。
退院栄養指導では、患者は在宅復帰するのにどんな食事を食べればよいか分からないので、レシピの提供や食生活に合わせた提案をしていく必要があります。
このように、栄養の知識は様々な場面で活用していくので、勉強は欠かすことができません。
病院管理栄養士の仕事はきつい?
当院の管理栄養士から聞いた、仕事できついと感じたところは以下の通りです。
- 多職種連携
- 他部署とのコミュニケーション
- 人間関係
- 患者のクレーム対応
上記の共通点からわかることは、コミュニケーションを大事にすることです。
自部署と他部署、患者それぞれでスムーズに情報の共有を行うことで、患者の在宅復帰に貢献することができます。
病棟担当になれば、何十人と対応することもあるため大変ですが、リスクの高い患者を回復させて退院まで対応できると大変な分やりがいに繋がります。
きつくない仕事を達成するより、多少きつい仕事を達成することに達成感や、やりがいを感じる人も多くいます。
まとめ|患者を回復させて自分を成長させることにやりがいを感じる
管理栄養士の業界には、福祉施設、学校、保育園、スポーツジムなど様々な就職先があります。
その中でも今回は、当院で働く病棟担当病院管理栄養士や他院ですが、私の後輩から聞いた話をもとに病院管理栄養士のやりがいについて紹介してきました。
人によりやりがいは異なりますが、共通するところは誰かの役に立ちたいという気持ちでしょう。
そのために、上位の資格を取得するのも良いですし、得意な分野で経験を積みスキルを磨くのも良いです。
日々、患者の様子をチェックしつつ、自己研鑽に勤めましょう。
病院の管理栄養士は、自分が成長すればまわりの生活の質の向上が見込めます。
そのため他人だけではなく、自分自身の成長もやりがいに繋がるでしょう。