- 実際に働いている管理栄養士に仕事の楽しさの声を聞いてみたい
- 各業界の楽しさを知りたい
- 管理栄養士のやりがいを知りたい
部署責任者として仕事の楽しさや、やりがいを追求しているみやよしです。
管理栄養士の転職先を探しているけど、業界が多い分それぞれどんな楽しさがあるのか気になりませんか?
実は、管理栄養士といっても業界で仕事内容が全く違うため、楽しさも違います。
業界ごとに仕事の楽しさってどんなことがあるの?
そこで本記事では、管理栄養士業界で自分に合った楽しい職場探しをしている人に向けて、各業界ごとの仕事の楽しさや実際働いている現役管理栄養士の声を紹介していきます。本記事を読むことで各業界の特徴を理解し、楽しくやりがいのある職場選択ができるようになります。
- 楽しさ:単純にやっていて楽しくて、苦ではない。
- やりがい:辛いこともあるけど、目指す目標に近づいているとやる気やモチベーションに繋がること。
- 管理栄養士 主任
- 病院勤務歴 10年
- 栄養科の責任者
- 病院栄養科の採用担当
現役管理栄養士として実際に働いている人の生の声を紹介
管理栄養士として働く楽しさは、人との交流です。
同僚、患者、利用者、顧客、子どもたち等業界により異なりますが、人と関わりながら働く管理栄養士は、人との交流が多い職業です。
しかし、実際に管理栄養士として働いている声を聞いてみないと、本音が分からなくて参考にならないですよね。
ここでは、私と後輩の考える管理栄養士の仕事が楽しいと思うところを紹介していきます。
私の管理栄養士の仕事が楽しいと思う瞬間
実際9年間病院で働いてきた私が管理栄養士として楽しいと思う瞬間を紹介します。
栄養士会の利用
栄養士会の楽しさは、職場間での異文化交流として「うちではこうしている」という知識の幅を増やすことができるところです。
職場では自分一人では解決できない問題がたくさんあります。
問題の解決策を他の職場でどんな対策をしているか聞くことで、解決のヒントになります。
「そんなことで良かったのか」ということもあるため、解決した瞬間はアドレナリンがでて楽しく感じます。
他の職種との交流
他の専門分野と交流することで、様々な角度の知識を付けることができます。
私の職場は病院なので、医療業界の知り合いができます。
例えば私の場合
薬剤師さん、市販で売っている薬の成分って実際どうなの?
総務課長、人材採用のときはどんなところを見て採用しているんですか?
上記のように普段は聞けないけど、好奇心で聞いてみたいことを聞けるところが楽しさに繋がっています。
後輩の現役管理栄養士に聞いた仕事の楽しさ
職場では定期面談があります。
その際に聞いた後輩管理栄養士の仕事の楽しさを紹介していきます。
勉強した知識をすぐに使える
勉強会は難しい内容も多いけど、自分の知識として落とし込めると、その分野が楽しくなります。
管理栄養士には勉強会・セミナー・講習会の機会がたくさんあります。
身に着けた知識はすぐに使えるものもあるので、患者や顧客に案内することも可能です。
自分の知識の幅が多くなることで、さらに説得力のある案内ができるので楽しくなります。
同僚と仲良くなる
気の合う同僚と一緒に同じ目標に向かう楽しさや休憩、仕事終わりのプライベートでごはんを行くことに楽しさを感じます。
仕事中は気を張っている分、休憩中や仕事終わりでは楽しく時間を過ごすことができます。
- 共通の趣味の話し
- お互いの家に招待し、料理や飲み会などで楽しむ
- 一緒にライブやイベントに行く
趣味が合えば、年齢問わず楽しむことができます。
辛い仕事を一緒に乗り越えているからこそ、より強い仲間意識が生まれます。
管理栄養士の仕事|業界別の楽しさ
管理栄養士の業界には様々な業務があり、楽しさがあります。
中にはスタッフと連携して人々の健康に貢献していきます。
各業界の管理栄養士の仕事内容が気になる人は、こちらの記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
管理栄養士の仕事内容と必要なスキル9選|業界別の求められる人材を紹
病院・クリニックの楽しさ
- 医療知識が増える
- 他の職種との交流
- 身近な人に知識を教えられる
病院管理栄養士の楽しさは、医療業界の職種と働くことで、専門知識が付くことです。
他の職種の知識も取り込むことで、仕事の幅や質も向上することができるため、仕事が面白くなります。
また、医療業界では辛い仕事もあるため、その仕事を一緒に乗り越えることで、より強い仲間意識が増えるでしょう。
そのため、仲良くなった職場の仲間と一緒にプライベートを過ごすことなどもあります。
NSTなどのチーム医療で活躍する楽しさもあります。
介護福祉施設の楽しさ
- イベント企画
- 給食管理
- おやつの選定等
介護福祉施設の楽しさは、利用者と一緒にイベントを楽しめることです。
施設栄養士は、委託栄養士と連携してイベントの企画をします。
夏には夏祭りイベント、冬にはクリスマスイベントなどを企画し楽しみを与えます。
施設栄養士は、利用者に楽しみを与える側です。
しかし、利用者が楽しんでいる姿を見ているとこちらも楽しくなります。
バイキングやおやつセレクトなど、普段とはちょっと違ったものを考えましょう。
また、年々介護報酬の改定により施設栄養士の重要度は高くなっていることからやりがいにも繋がりやすい業界でしょう。
施設の栄養士は多職種連携を行い、栄養ケアを行います。
保育園・幼稚園のの楽しさ
- 子どもたちへの食育
- 0~6歳の成長の見守り
- イベント企画作成
園の栄養士の楽しさは、保育士や先生と一緒に子どもたちがより健康的に育つための活動を行えることです。
子どもたちの成長を見守れることは、園に勤める者にとっては楽しいことです。
子どもたちの成長には、食事も大切なイベントです。
0歳〜6歳の子どもたちに合った新鮮な食材選びを行うことで、おいしい食事を提供します。
イベント食などで頑張って作ったメニューを喜んで食べている姿を見ると楽しくなります。
保護者への離乳食やアレルギー指導なども行います。
学校栄養教諭の楽しさ
- 地域貢献
- 子どもたちの食育
- 学校教育に貢献
学校の栄養教諭の楽しさは、栄養知識を家庭にも発信することで地域に貢献していくことが
楽しさに繋がります。
栄養教諭は公務員でもあるため、地域に密着した働き方をしたい人が多い職業です。
そのため、地域に根差しながら子どもたちの食育に携わることで、楽しさを感じることができます。
地域の役に立ちたい、子どもたちの食育に携わりたい人は、楽しさとやりがいを感じることができるでしょう。
学校栄養職員のような、給食専門の職員もいます。
委託給食会社の楽しさ
- 給食管理の楽しさ
- 衛生管理の楽しさ
- コスト管理の楽しさ
委託給食会社の楽しさは調理師と協力して施設給食を作り、患者や利用者に満足感を与えることが楽しさに繋がります。
衛生管理は委託管理栄養士であれば、徹底しなければならない分野です。
衛生の知識は家庭でも利用できる知識であるため、うまく活用できる楽しさがあります。
委託の管理栄養士は、給食作成以外にもコスト管理を行います。
コスト管理は難しい反面やりがいにも繋がるため、自分である程度コントロールできるようになると楽しさにも繋がってくるでしょう。
食材費が高騰する中での献立編集がうまく対策できると楽しいです。
食品メーカーの楽しさ
- 施設への貢献
- 様々な職種の経験も可能
- プレゼン能力が上がる
食品メーカーの楽しさは、様々な職種を経験できるころです。
商品知識を付けるために、管理栄養士は営業から行うことが多くなります。
試験を受けることで、企画・開発・研究などの人気の職種に携わることが可能です。
食品メーカーの営業は積極的に勉強会やセミナーを主催し、自社商品を売り込みます。
対法人であるため、営業としてのストレスは少ないですが、他社の類似品と比較して自社商品の使用メリットを伝えていきます。
様々なスキルを取得していくことで、自分に合う職種を探すことが楽しさに繋がるでしょう。
管理栄養士の仕事を楽しいと思う人の特徴は「価値提供」したい人
管理栄養士の仕事が楽しいと思える人の特徴は「価値提供」がしたいと思える人です。
具体的にどんなことで価値提供ができるのか分からない人もいると思うので、紹介していきます。
臨床栄養の知識で価値提供する
- 病院
- クリニック
- 老健
医療業界での管理栄養士の価値提供は、臨床管理の経験から治療食の知識を提供することです。
管理栄養士は、栄養管理を行いつつ、医師の指示により患者対応を行っていきます。
そのなかで、なぜその患者にはその対応をしているのか説明をすることで知識を提供しています。
患者は治療食の知識を知らないため、どういうものか教えてあげるだけでも喜んでくれることが多いです。
喜んでくれる患者にはもっと良いサービスや知識を提供したいと思い、さらに勉強をしていくことが楽しさに繋がっていきます。
商品知識で価値提供をする
- 食品メーカー
- ドラッグストア
- 化粧品関係
小売り、メーカー業界での管理栄養士の価値提供は、顧客に適切な商品案内をすることで、喜んでもらうことです。
管理栄養士は専門職なので、美容や健康食品の案内に説得力を持たせることが可能です。
類似した他社商品との比較やニーズに合った商品知識を必要としますが、顧客が求めているタイミングで案内することができると、自分の知識を価値として提供できるでしょう。
安全で安心な食事の提供をする
- 給食委託会社
- 学校給食
- 保育園・幼稚園
給食業界での管理栄養士の価値提供は、安全で安心な食事を提供することです。
さらに、イベントや行事などを利用し、楽しみながら思い出作りにも協力をします。
喜んでいる姿や手紙などを貰うことで、価値提供をしている実感が持てます。
給食管理スキルを身に着けながら、どんなことをすれば喜んでもらえるか考えるだけでも楽しく感じてくるでしょう。
栄養科責任者が実感している管理栄養士の仕事のやりがいや魅力
- 求められる存在に慣れる
- 話の話題が豊富になり他の業種とも仲良くなれる
- 身内に対して健康管理ができる
- 職場の仲間と共通の目標で働いていける
病院で9年働く私が実感している、管理栄養士の仕事でのやりがいや魅力は上記の通りです。
管理栄養士として働いていると、自然と食事に関しての知識が増えます。
食事の知識は生きていくうえでも影響力が高く、気になる人も多いでしょう。
そのため、知識が付くほど身内だけではなく、周りとの話題作りや他の業種の人とも仲良くなることができます。
同僚であれば同じ目標を持っていることも多いでしょう。
同僚と相談し合い、問題を解決していくことにやりがいを感じ、問題を解決する姿を後輩が見ることで魅力に繋がります。
管理栄養士として働くメリット
管理栄養士として働く上でやりがいや魅力以外のもたくさんメリットもあります。
そのメリットを具体的に紹介していきます。
管理栄養士は身近な人に知識を提供できる
自分の知識を提供し、身近な人に喜んでもらえることは、管理栄養士の魅力でありメリットです。
家族の体調管理、友人のダイエットなど様々な場面で知識を提供することができます。
自分としては、仕事で使っている知識を少しアドバイスしているだけの感覚ですが、喜んでもらえたり、さらに信頼されたりとメリットも大きいでしょう。
管理栄養士は汎用性の高いスキル
管理栄養士は、食材の栄養知識を活かしたスキルを中心に仕事をしています。
食材に関わる仕事はとても多いですが、国家資格は管理栄養士のみです。
そのことから、食に関わる幅広い知識を持っている職業は管理栄養士のみであるため、汎用性の高いスキルを持っているといえるでしょう。
管理栄養士は転職がしやすい|求人倍率1.97倍
厚生労働省の一般職業紹介状況によると「その他の保健医療の職業」は「新規求人」は8,146件であるのに対して「新規求職」は2,585人になっており求人倍率は1.97倍であるため、管理栄養士が世間から求められていることがわかります。
そのことから、汎用性の高いスキルを身に着けている管理栄養士が、さらに業界を絞り専門性を高めることで転職も容易です。
安定した転職率を出すには、求められるスキルと一致させていくことが必要であるものの、求人が多い分転職はしやすいと言えるでしょう。
出典:一般職業紹介状況(令和5年1月分)について | 厚生労働省
管理栄養士の仕事のストレスや辛いと思うこと
管理栄養士の仕事には楽しいだけでなく、ストレスや辛いこともあります。
管理栄養士のよくあるストレスを挙げていきますので、仕事へのギャップを埋めていきましょう。
人間関係のストレス
管理栄養士の退職理由で一番多いものが人間関係です。
とくに管理栄養士の仕事ではアレルギー等、間違うと健康に害を及ぼすこともあります。
仕事中は集中するためピリピリする場面もあります。
その雰囲気に耐えられずストレスに感じる人も多くいるでしょう。
真剣に仕事に向き合えるからこそ、価値のあることを提供することができます。
管理栄養士の仕事量のストレス
管理栄養士はスケジュール管理が重要ですが、それがストレスになることもあります。
仕事は1人で行うことより、チームや他の職種で行うことが多いです。
チームも一つであれば問題ありませんが、複数掛け持ちすることもあるため、スケジュール管理が煩雑になりがちです。
そのため、仕事が終わらずに残業が続くことでストレスになる人もいます。
仕事量が多いということは、他から信頼されているということにもなります。
不規則な生活でのストレス
給食を提供する企業は、早番や遅番などの不規則な生活を送ることがストレスになります。
とくに、遅番から次の日が早番等の場合は、寝る時間もなく大変です。
仕事も重労働な仕事であったり、時間に追われるような仕事だったりするため、毎日が疲れてしまい辛いと思う人もいるでしょう。
他の人ができないことをあなたが行うことで、価値を提供しています。
管理栄養士の仕事に向いている人の特徴
管理栄養士に向いている人は、積極的に栄養や料理の知識を学んでいける人です。
なぜなら、栄養の常識は常に更新されているものであるため、働きながらも勉強していく必要があるからです。
とはいえ、具体的にどんなものがあるか気になると思います。
ここでは、具体的に管理栄養士に向いている人の特徴を紹介していきます。
栄養や食事に興味がある
管理栄養士の仕事は、栄養や食事に関することがほとんどなので、栄養や食事に興味がある人は管理栄養士の仕事に向いているといえるでしょう。
管理栄養士でも勉強していくうちに好きではなかったという人もいます。
栄養に関することは、新しい成分が次々とテレビやCMで取り上げられています。
そういった情報についても、患者や保護者などから質問があるため、アンテナは貼っている必要があります。
そのため、栄養や食事に興味がある人は管理栄養士の仕事に向いていると言えるでしょう。
料理をするのが苦ではない
料理をすることが好きである必要はないですが、苦ではない人は向いているでしょう。
実際に管理栄養士は料理をしていく必要があります。
なぜなら、栄養指導を行っていく必要があるからです。
- 病院:患者
- 老健:利用者
- 保育園・幼稚園:保護者
- 行政:妊産婦・特定保健指導対象者
これらの人に対して管理栄養士は栄養指導を行っていくことが多いです。
栄養指導は、知識だけでもある程度カバーできますが、作り方やレシピを聞かれることもよくあるので、自分が紹介した料理の調味料がどのくらいの割合か、知っておく必要があります。
そのため、毎日料理をする必要はありませんが、どの料理にどのくらい調味料が使われているかくらいは知っておくために料理をすることが必要です。
管理栄養士で大量調理ができても家庭料理が作れない人はたくさんいます。
責任感がある
管理栄養士は専門職であるため、自分の仕事に責任を持つ必要があります。
自分の伝えたことが間違っていたとして、相手に害があると大変です。
そのため、自分の知識を常に更新していき、正確な情報を伝えられるような責任感がある人は管理栄養士に向いているといえます。
間違ったことを言ってしまっても、後日訂正できれば問題ありません。
管理栄養士の仕事に向いていない人の特徴
管理栄養士の仕事は、1人でできる仕事ではありません。
そのため、他人と接することが苦手な人や協調性がない人には向かない職業といえます。
とはいえ、具体的にどんなものがあるのか気になると思います。
ここでは、具体的に管理栄養士に向かない人の特徴を紹介していきます。
コミュニケーションをとるのが苦手
管理栄養士は、多職種連携が求められる職業です。
なぜなら、栄養や食事に関する知識があっても、その他のことは専門外であるため分からないことも多くなります。
たとえば、患者に対して食事の提案はできても、その患者の特性などは担当看護師の方が詳しい場合も多いため、適切な食事の提案は看護師との連携が必要になってきます。
患者は意思疎通できない人も多いです。
こういったことからもコミュニケーションが苦手な人にとっては苦痛と感じる人もいるでしょう。
相手の気持ちを考えられない
管理栄養士は、栄養指導を行う業界が多く存在します。
栄養指導の目的は、相手に対して正しい食生活を送るために改善可能な提案をすることです。
正しい知識をただ伝えるだけではなく、相手の私生活を考えて無理なく続けられる方法を提供していかなければなりません。
そのためにも、相手の気持ちを考えながら伝えていくことが必要です。
管理栄養士の仕事は社会的に評価された職業である理由
管理栄養士は求人倍率からみても需要のある職業といえます。
さらに、医療業界では診療報酬や介護報酬の改定からも徐々に管理栄養士のポジションが増えていることが分かります。
ここでは、管理栄養士の仕事が社会的にもなぜ評価されているのかを紹介していきます。
求人が豊富
管理栄養士の令和5年の求人倍率は1.97倍です。
そして、求人を紹介する転職エージェントの求人も増えてきているだけではなく、新しい管理栄養士に特化したエージェントも出てきています。
このことからも管理栄養士の需要の高さがわかるでしょう。
エージェントの中には栄養士ワーカーのような年間30,000件の転職者が出ているエージェントや、栄養士転職ナビのような求人数が1万件以上のエージェントもあります。
このように管理栄養士の求人は豊富です。
診療報酬や介護報酬で管理栄養士が求められている
管理栄養士は、国からも重要視されている職業です。
令和2年・4年の診療報酬の改定や令和3年の介護報酬の改定から管理栄養士の需要がさらに上がっていることがわかります。
栄養に対する治療の効果が徐々に認められていることで、管理栄養士の必要性が増えてきています。
そのため、病院などでは管理栄養士の人数確保のため、求人数に影響しているのでしょう。
管理栄養士の仕事の楽しさのまとめ
各業界別に管理栄養士の仕事の楽しさを紹介してきました。
管理栄養士の仕事の楽しさは、知識の価値提供をしていくことです。
実際に働いている現役管理栄養士としては、すぐに使える知識の取得や他の職種と仲良くなれることも仕事の楽しさです。